フォルクスワーゲン(VW)は2024年5月28日、約2万ユーロ(約340万円)の新型電気自動車(EV)「ID.1」を開発し、2027年に発売すると発表しました。
現在、欧州の自動車メーカーに比べ、製造コストで30%優位に立つといわれる中国のメーカーが欧州市場にも参入し始めていて、VWはそれら中国メーカーとの価格競争に打ち勝つことを目指しています。
ID.1は、2021年のミュンヘンモーターショー(IAA MOBILITY 2021) で「ID.LIFE」としてコンセプトが発表されたプロジェクト。その価格は2万ユーロ(約340万円)前後の、「ポロ」クラスのEVとして、2025年の発売に向けスペイン工場で生産が開始されるとされていて、2022年には量産型の予告画像がリリースされました。今回のリリースでは、発売予定が2027年となっています。
ロイター通信によると、VWは先週、欧州自動車業界が競争の脅威に備えるには2〜3年かかるとし、さもないと業界の存続が危ぶまれると警告しています。その一環として、VWブランドで100億ユーロ規模の節約およびコスト圧縮策を実施していますが、VWブランド責任者のトーマス・シェーファー氏によると「計画しているエントリーレベルのEVは低価格ではあるが、テクノロジー、デザイン、品質面での基準を打ち立てる」とし、「エネルギー、原材料、人件費が上昇するなか、これはさらに難しくなっている」とID.1プロジェクトの進行の困難さを強調しました。
今回のプロジェクトでVWは、欧州での現地生産化を推進。部品の輸送ルートを合理化することで、温室ガスの排出量削減も推し進めていく計画です。
(写真=フォルクスワーゲン)
2021年に発表されたコンパクトEV「ID.LIFE」のPhoto Gallery